なげる〜んを使用したトレーニングがどのような効果をもたらすのか、
福岡大学スポーツ科学部バイオメカニクス研究室で実証され、
第23回日本トレーニング科学会で発表されました。
「なげる〜ん」を使ったトレーニングが投球動作に及ぼす影響
渡邊正和、川上貢(福岡大学スポーツ科学部)、今任靖之(汲hBA)、吉田智博(鰍vBC)
野球の投球動作において回旋及び回転運動は重要である。その動きを身につけるトレーニングとして今任らはスローイング練習器具「なげる〜ん」を使ったトレーニングを提唱している。そこで今回はそのトレーニングを実施し、トレーニング効果をみることを目的とした。
被験者はF大学公式野球部部員のM投手(身長:170cm 体重:70kg)1名とした。トレーニングは確立された練習メニューを3ヶ月間、日曜日を休養日とし、一日10分程度実施した。
測定はF大学体育館フロアで、直球10球を全力で投球してもらった。尚、投手−捕手間距離は通常の18.44mとした。投球動作は高速度カメラ2台を同期させて撮影し、身体各部位の3次元座標はDLT法により算出した。また、ホームベース上を通過したボールを超音波速度計で計測し球速とした。なお、測定日はトレーニング前、中、後とし、中が約1.5ヶ月後、後が約3ヶ月後の3時期とした。
その結果、3ヶ月のトレーニングで準備局面動作の脚引上高、ステップ長ともに大きくなり、球速が約5km/hアップした。また、トレーニング後では身体各部位の分析から上体及び上肢全体で加重するようなバランスのよい動作がみられた。両腰角度、両肩角度の分析から、ヒップ回旋が先行し、十分なタメを作りより上体の鋭い回旋ターンを導き出す投球動作に変化したことがわかった。
報告者:
福岡大学スポーツ科学部 川上 貢先生
福岡大学スポーツ科学部 助教/同校硬式野球部コーチ 渡邊 正和先生

報告書
「なげる〜んを使ったトレーニングが投球動作に及ぼす影響」
川上 貢、渡邊 正和 (福岡大学スポーツ科学部)
投力(スローイング)
平均スピード
約7km/hアップ!
肩甲骨の可動域が増加!
(リリースポイントが前に)
下半身と上半身の運動連鎖が高まる
(下半身の回転運動と上半身の回転運動との差が
0.5s⇒0.9sにアップ)
姿勢が良くなり、足の上がりとステップ幅、
正しい体重移動が実現!
報告書
「なげる〜んを使ったトレーニングが打撃動作に及ぼす影響」
川上 貢、渡邊 正和 (福岡大学スポーツ科学部)
打力(バッティング)
平均スイングスピード
約9km/hアップ!
強力な
重心移動(並進運動)間が持てる(正しい姿勢の安定)
ダウンスイング
(最短距離)でインパクトを迎える